名前を呼べるということ

東日本の震災の中、ある女性納棺師の方の言葉。

『亡くなられたご本人の一番いい顔を覚えて忘れないでいてほしいから。

そして、亡くなられた方もしっかりと生きてきた名前を呼んでもらって、

家族に受け入れてもらいたい。』

この大きな被害の中ですから、家族のもとに戻られた時には、

小さな子供達は母親と認識できない状態にある方もいらっしゃるでしょう。

映像ででていらっしゃった、若い奥様をなくされたご主人が、

納棺師にたいし、生前の頃のようになり、最後の化粧をほどこされた奥様をみて、

泣きながら震災以来、はじめて、御名前を何度も何度も呼びながら

大声をだして今までの緊張を解くかのように気持ちがあふれ出していらっしゃった。

まるで、名前を呼ぶ度に、ご主人の心が癒されているかのように私には感じました。

『今まで、子供達に会わせることがどうしても出来ないでいた。

これで、子供達に会わせてやることがやっとできます。 ありがとうございました』
 
納棺師は、

『我々の仕事は、別れと再出発を支えている。だからこそ、御名前を呼び、そして呼ばれて、

お互いに受け入れられながら最期をお見送りできるようにしてさしあげたい」と。




名前を呼んで最後の別れが出来ることが、当たり前だと思っていた。

けれど、それすらも出来ないまま、御別れをしなければなれない方、

そして、それすらも出来ずに、先の見えぬ状態で待っている方も大勢いらっしゃる、

東北の方の目の前にある現実。。


人が元気になるためには、承認すること。認められることから始まるといわれています。

名前を呼ぶということ。それが御互いにどれだけの喜びと力を与えらるか、

当たり前のことができないことの辛さ、悲しさ。。。

本当にこの震災の中で、私達は、改めて、当たり前にある目の前のこと

すべてに感謝し、原点にもどることの大切さを教えられているように感じるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました